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エレクトーンのことをいっぱい書いています!

第516号「"USER音色23個"過去最多使用…海の幽霊」

米津玄師さんの新曲「海の幽霊」が今月公開されました。本家動画再生数はどんどん上がり、紅白出場されるのであればこの曲かな…?なんて思ったりします。そんな、米津さんの楽曲のエレ動画を先日作りました。今回のその簡単なレポートです。

●まるで海のよう⁉際限なく響き渡るサウンドの再現
 「海の幽霊」は、全作「Flamingo」とは違い、全編にわたってオーケストラが響く構成となっています。そこへシンプルながら打ち込みサウンドが交じり、米津さんのエフェクト掛かったボーカルが世界観を一層引き立てています。初めて聞いた時は、サビに入った直後にブワッと鳥肌が立った程感動しました。この感動をエレクトーンでも再現してみたいと思ったことから選曲しました。

 毎度の事ながら、「聴くのは簡単」なのです。しかし、いざエレクトーンへ向かって設定をはじめていくといかに、そのサウンドが繊細な構成なのかを感じました。今回、"響き"という点が重要だろうと考えた点から、リズムキットは「ハウスキット」を選択しました。選択理由は、ヌケのいいスネアをはじめとしたドラムスの構成そして、ノイズキットの「スパーン!!」といった残響が特徴的な音も活用できると思ったからです。また、アドドラムには主に海にまつわる効果音(波、泡、雷、ウォーターフォーン等)を鳴らすパートとしました。

 原曲をきくとわかりますが、全編にわたり比較的リズムパートはシンプルなパターンが多く、割と聞き取りやすい部分が多かったのでポンポン進めることが出来ました。使いまわしが可能な点が多かったのも良かったです。ただ、1つ挙げるとすれば大サビ直前のリズムです。言葉にすると難しいのですが、「ブワーーーーーッ!!」と深海から地上へイッキに上昇するような音が原曲では鳴っております。なんと…この部分悩んだ挙句、SFX「ジェット機」を使用しました。まさにジョワー!!と上昇する感じですね。

●音色独自設定多発!!レジスト設定の数々
 リズムは上記のような感じで作成したのですが、問題は音色設定です。場面転換する度にUSER音色を呼び出す事も多く、結果的に23ものUSER音色を使うこととなりました。プリセットでいけるところはそのまま、もしくはエフェクト関係をちょこっとイジる程度です。

 USER音色のメリットは、レイヤーを自由に組み替えよりイメージに近い音色を作ることができる。パラメータを変更することで立ち上がり、減衰、ピッチやパン設定を細かにできる、音量レベルの変更であったり…といろいろです。デメリットはそのたびに時間が掛かることです。

 海の幽霊の演奏中であると、ストリングスの音色の中にトレモロストリングスフィート違いで足したり、VA-オカリナにポップリードを入れて深みを出したり、ポップリードのピッチを-5にしてコーラス風にしたり…と場面ごとに変化する音色を自分なりに作り上げ、レジストを組んでいきました。結果的にUSER音色は23音色となり、自作レジスト過去最多、2バンク目にまたぐレジスト構成となりました。

●「海の幽霊」エレ動画完成…!!
 ディレイをちょっとオーバー気味に入れて反響っぽくしたり、波のSFXをピッチ変更、左右パン振りしたり、初めてキラキラ系padを取り入れる。そして遂に「海の幽霊」エレ動画が完成しました。制作期間2日の超大作…!!再度作成しようとはさすがに思えませんが、僕のイメージする「海の幽霊」なサウンドはきっとこんな感じだったのだろうと思います。

 演奏+αのお楽しみとして、エレ歌詞&イラストを動画内に添えました。内容は、効果音を多用したことから「海の効果音」について、そしてイラストはPVにも出てくるクジラを描きました。動画投稿直後に、早くも視聴頂いた様子で改めてありがとうございました。

 レジスト作成でここまでUSER音色を積極的に活用したことは初めてだったのですが、米津さんらしいサウンドは「こうかな?どんなかな?」と考えながら作り上げる作業はまさに没頭!!今後の米津さんの新曲に注目すると共に、エレ再現にもチャレンジしていきたいと思いました。