★KAME's ROOM with ELS-02C★

エレクトーンのことをいっぱい書いています!

第554号「"AI美空ひばり"放映直後エレver.作業開始」

先日記事にした、"AI美空ひばり"の新曲「あれから」についてですが、再放送を視聴し終わった直後に「これ…エレクトーンでやろうかのぅ」と感じました。それまで、別の曲の打ち込みをしていたのですが、いてもたってもいられず…。

作業1…録画音源をICレコーダーへ。
 当初、どのような番組か全然知らなかった為、とりあえず録画でもしとうか…という軽い気持ちで見始めました。しかし、最も盛り上がるAI美空ひばりの歌唱シーンを視聴すると、「これは録画すべきものだった」と確信に変わったと同時に、「録画していて良かった」と安心しました。なぜか。この音源が最も必要だったからです。「あれから」に関する全ての情報の入手源はこの音源しかなかったことから、テレビ→ICレコーダーへ音源をライン録音しました。

 録音した音源はCDでも無い為、音質について期待はしていなかったのですが、思った以上にクリア(しかもステレオ)に録音できていたのです。特に楽器の配置についてはヘッドフォンでイメージできる程だったので、後にPAN設定に役立ちました。この音源をスマホにも転送し、何度も聴き込みました。

作業2…楽譜を起こす。
 録音した音源を何度も聴き込み、ようやくソラでもメロディが歌える程になると、次の作業は楽譜を起こしていきます。BPM約75、キーは最初A♭から転調後はDへ。楽譜のアタマに♭を5つ書く事が分かった時の「あぁ…これはめんどくさいやつかね」と思いました。Dへ転調後は全て♮からの♯2つだけなので、弾きやすいなぁと。AIひばりさんの音程はほとんど聴き取りやすく、音符に変換しやすかったです。しかし、基準のド以下の音になると、低音になるので時々フレーズを試し弾きしながら音を探っていきました。転調後もスムーズに書けました。

作業3…エレ作業へ入る。
 簡易的に書き上げた楽譜を元にエレクトーン作業へ入ります。ひばりさんの歌声には、今回「S-テナーサックス3」を使いました。オーボエやハーモニカ、派手じゃないリード系とかも考えたのですが、あの深みのある声に対応する音としては、「S-テナーサックス3」が一番しっくりきました。音の太さ、少々オーバー気味に掛かるコブシ(2nd.Exp活用)がひばりさんのそれに近く感じたことにあります。

 原曲を聴いたところ、シンプルな曲の構成であり、サビの繰り返しも多いことからそんなに難しくはないだろうと楽観視していました。全然でした。前奏だけでレジスト6つもチェンジさせてようやく納得のいくものとなりました。この調子で作り上げていき、結局バンク数は3つにまたぐこととなり、挙句の果てにせっかく作ったレジストも誤って上書きした時もある程混乱したのです。再度同じアレンジをしようとする気には到底なれない程でした。

 アカンパニメント関係は原曲がバラード風であったことから、カテゴリも「バラード」から多数選択しました。特にハープのグリッサンド系パターンは重宝しました。アニメーションバラードのフィルは鉄板でしょうか。その他、リズム「ピアノバラード」系あたりのフレーズもいくつかアセンブリ。いい感じに鳴ってくれてよかったです。

 1コーラス目(上鍵盤リード)はS-テナーサックス、2コーラス目の一部に変化を付ける為に、ポップリードをチョイス。サビでユニゾンさせたり、間奏部分にポップリードにディレイを掛けて合いの手風味にさせたりと、原曲のイメージを補強させる工夫をしていきました。

作業4…演奏練習
 以上の作業を全て終えた段階で既に3日経過。最後にようやく演奏の練習です。それまでに何度か試弾していたので大まかには演奏できていましたが、細かな部分を繰り返し練習しました。特にリズム隊が静かになる箇所、そしてラストのS-ピアノのタッチが難しく…何度やっても緊張して音が飛び出てしまう点は修行すべき点であります。

作業5…動画編集
 撮影を終了し、動画編集をしました。先週土曜日の作業でした。歌詞を考えたり、美空ひばりさんのイラストを描いたりとこのあたりは楽しく作業しました。…が!!全てを終えて、動画出力をする時になり、ソフトが不具合を起こし、何度やってもクラッシュし、デスクトップ画面が表示されてしまうのです。やむなく、最新版へアップグレードすることで解決しましたが、それまでのバージョンで事足りていたのでちょっと残念でした。

 いろいろありましたが、出力完了後、10月6日(日曜日)に全ての作業を終えることができました。この日は、本放送があった日から1週間後でした。少しでも早く演奏したい!!という思いから、トッカン工事で作り上げた「♪あれから」でしたが、そのぐらいココロを動かされた1曲でもありました。今後も、どこでこういった奇跡の1曲に出会えるかわかりません。しかし、この一連の作業は大変ではあったものの、「没入感」があって楽しかったです!