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エレクトーンのことをいっぱい書いています!

第566号「"ストリートピアノ"人前で弾く経験」

2019年はストリートピアノがブームに…?ネット記事や、タイムラインにそのことを多く見かけた記事でもありました。また、実際に旅行に出かけると主に主要駅、観光地等でピアノが置いてある風景を見かけることも多くなりました。僕も実際に体験してきました。

●駅に置かれたグランドピアノ
 ストリートピアノが置かれている場所はだいたい人通りが多い場所です。主要駅もそのひとつで、昨日は駅の広い1階ホールにグランドピアノが置かれていました。スピーカーも装備していないにも関わらず、ピアノの音は2階改札口付近まで響いていました。結構グランドピアノの音って響くんですね。5日間限定の「駅ピアノ」としての存在感は実に目立ち、黒色のボディには駅構内の照明を反射しており、更に存在感が増していました。

 グランドピアノの周囲には既に多くの通り客がギャラリーとして輪をつくっており、奏者の演奏に耳を傾けていました。また、奏者は小柄な小学低学年から年配の方まで実に幅広く、その演奏曲もバラエティに富んでいました。普段、「一般人」として見ている人々が、いざピアノ前に座り、演奏を披露すると一目置く存在に見えるのもストリートピアノの特徴でもあるなと感じます。中には、難易度の高いクラシックを見事に演奏する方もおられ、拍手も一層大きくなっていました。

●長蛇の列に並ぶ
 そのような状況の中、普段エレクトーンを楽しんでいる者の一人として、こういった風景を眺めていると「自分も弾いてみようかな」という気持ちが膨らんできました。ふと、奏者の後に目をやると既に30組は超える長蛇の列ができていました。「これみんな弾くの!?」と感じたものの、目の前のグランドピアノを弾けるチャンスと思うと自然と列に足が向かっていました。

 最後尾に並ぶと、不思議なことに一歩ずつピアノに近づくにつれて心臓がバクバクしてくるのです。まるで発表会の舞台袖のあの感覚と同じです。奏者が1曲弾き終わる度に、拍手がおこり次の奏者が演奏する。そしてまた一歩前進する。「何この緊張は!?」と、別にそう感じたら諦めて列を脱すればいいのですが、ここまできたからには!!という気持ちが勝るのでした。

 スタッフの方に「何を弾かれるのですか?」と直前に質問されました。「HYというアーティストのAM11:00という曲を演奏したいと思います」と応えましたが、「私知らんのですよ」とバッサリ。そうこうしているうちに、白と黒の鍵盤がキラリと光るグランドピアノが目前に「さぁ、弾きたまえ」と言ってるかのような堂々とした姿がそこにあったのです。

●人前で演奏する体験
 YAMAHAと金色に輝くロゴを前に、白と黒の88鍵盤がワイドに広がります。あたり一面みんなこちらを見ています。中学校のエレクトーン発表以来の懐かしい緊張感が指先にまで走りました。プラスティックでは無い一段鍵盤に両手を添え、静かに弾き始めました。

 一音出すと、自然に両手が流れるように動きました。ダンパーペダルを用いて、残響も楽しむ。さすがに「間違えたくない!!」という心も働き、ギャラリーの皆さんの表情を見る余裕もありませんでしたが、大きく口を開いたグランドピアノのフタの隙間から押し寄せる演奏の音響はグランドピアノならではのまさにそれでした。エレクトーンとは一味違う‥‥なんだろう、包み込むような温かい音色でした。

 演奏も中盤に差し掛かり、緊張感もほどよく解ける心地よさ。「すっごいいい!!」と心の中で感じました。ストリートピアノが人気である理由も演奏すると一気に分かる気がしました。静かに弾き終わると、一斉に周囲から拍手を頂くことができました。そして軽くお辞儀を2回ほど。その瞬間はまるで、映画の主人公になったかのようななんともいえない瞬間でもありました。一般人の演奏ではあるのですが、"このひと時だけは夢を見られる"そのような気持ちも感じました。

●ストリートピアノいいね!
 あっという間のストリートピアノ体験でしたが、グランドピアノでのストリートピアノは初体験だったこともあり、その場を離れてもまだ心臓は少しだけバクバクしていました。…といった経験をしましたが、改めてストリートピアノっていいな。また見つけたら自然と並ぶんだろうな…と思う余裕も出てきました。エレクトーンメインで演奏することがほぼ10割な日常生活の中で、ピアノ演奏のレパートリーは大変少なく、いざストリートピアノを目の前にすると弾ける曲が少ないのも弱点かなと思います。今後、こういった機会に巡り合った時に瞬時にソラで弾ける新曲を1,2曲インプットしておくのもいいかなと思いました。

 エレクトーン動画も楽しく、ネットの向こうの皆さんに視聴頂く興味感心の高さもありますが、公衆な場所でしかも!!人前でピアノを演奏するという体験を通じ、ちょっぴり自分に自信がつくというか、堂々と何か人前でやってみるという度胸もついたんじゃないかなとも感じることができました。